ムエタイの技が上達していく一方で、大勢の前で裸になるのをためらったり、こっそりトイレで化粧をしたりと女の子らしいことへの興味をどうしても止めることができなかったトゥム。ある日、トゥムの本当の気持ちを知るコーチの奥さんが彼に化粧を施すが、そこへコーチが現れ見つかってしまう。ところが何を思ったかトゥムに化粧をさせたまま試合に出させる。化粧をしたトゥムを冷やかす観客たち。しかし、リングネーム“ノン・トゥム”の実力は本物で、あっという間にKO勝ちする。スポンサーもトゥムの強さを認め、化粧代まで出してくれるようになった。敗者へのキス・パフォーマンスも受け、一大旋風を巻き起こしていくトゥム。
しかし、弟のタムに「ピエロのように笑い者にされ恥ずかしくないのか」と言われ悩み苦しむ。女性になりたいと考え始めたトゥムはムエタイを辞めようと決心するが、奇しくもバンコクで最も有名なルンピニー・スタジアムでの試合が決定する。さらに自分を育ててくれたコーチが肺がんのため入院するという事態が重なり、再びリングに立つことを決意。ルンピニーでの試合に勝つがその同じ日、コーチが亡くなったことを知ったトゥムは、次第にムエタイを続ける気力を失い始め…。