「トゥムの役は本物のムエタイ選手に演じてほしかったんだ。アート(アッサニーの愛称)は、とてもムエタイの技術が高いし、家族や育ち方がノン・トゥムと似ていた。2人とも苦しい経験をしている。ただ違うのはアートが女性になりたいとは思わなかったっていうことだけ。苦しい経験を乗り越えたアートだからこそ、トゥムの役を演じることができたんだ。集中力も200%あるし、とてもいい演技をしてくれたよ」(監督)
と、ベタ褒めの2人。新人ながら、その迫真の演技でタイのアカデミー賞と言われるスパンナホン賞で見事最優秀男優賞を受賞した。映画の中にはもちろんパリンヤー自身も出演している。ノン・トゥムの心に影響を与えるエステティシャン役だ。
「この役はとても大事な役なのよ。ノン・トゥムの人生を変える役なんだもの。彼にもっとキレイになってほしいと、女性ホルモン剤をあげるの。私もトゥムにもっともっとキレイになってほしいと心から思いながら演じたわ」(パリンヤー)
どのエピソードも全部真実
でもドキュメンタリーとは違うわ
そして気になるのは、いったいどこまでが真実なのかということ。自伝モノとは言いつつも、事実が数割程度しか入っていない作品も多いが…。
「んー、100%真実と言ったらいけないかもしれないわね。だってドキュメンタリーフィルムではないですから。映画用に脚色している部分はあるにせよ、でも、どのエピソードも私のストーリーだと断言できるわ」(パリンヤー)
「実際にあったストーリーに対して嘘はつけない。パリンヤーが語ってくれたことは100%映画の中に入ってるよ」(監督)
『ビューティフル ボーイ』は、一人の人間の“心の旅”を描いた作品だ。人間の本質は決して外見だけ、表面だけで判断することなんてできない。そんなことを強く感じることができる作品だ。一人の人間の人生を真正面から描き出すことに成功した『ビューティフル ボーイ』は、何か迷いがある人にこそぜひ観てほしい作品だ。きっと、生きるヒントや希望が見つかるに違いない。