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  special | THE☆タイのスター | タタ・ヤン

Taya Young
タタ・ヤン
 
Tata Young(タタ・ヤン)

JAPAN TOUR 2005 “I BELIEVE”

エンターテイメント性あふれるステージ、迫力の歌声、
そしてセクシーな魅力に会場全員がタタに恋した夜

 アジア諸国で爆発的な人気を誇るタイの歌姫、タタ・ヤン。昨年11月にリリースした日本でのデビューアルバム『I BELIEVE』からのキャッチーなリード曲「Sexy,Naughty,Bitchy」がスマッシュ・ヒットを飛ばし、いきなり日本での知名度を上げた彼女。そんなタタ・ヤンが、7年ぶりとなるワンマン・ライブ・ツアーを、ここ日本で行った。福岡、大阪、横浜、名古屋、仙台と各地でオーディエンスをノックアウトさせ、自信と余裕が出てきた中での最終日、Zepp Tokyoでのライブの模様をレポートしよう。

 日曜日ということもあり、カップルや家族連れがのんびりとショッピングや観光を楽しむ中、Zepp Tokyo前ではタタ・ヤンのライブを今か今かと待ち受けるファンたちの列で埋め尽くされていた。

とても失礼な話だが、びっしりと会場を埋めたファンがタタのライブのためにこんなにも集まったことに正直驚かされてしまった。なぜなら、近頃ではようやくアジアの文化やエンターテイメントを認める人が増えてきたが、まだまだ日本では欧米至上主義の傾向が強く、アジア諸国の音楽に目を向ける人はほとんどいない。いくらタタが日本でのデビューアルバムをヒットさせ、歌唱力に優れ、英語の発音が完璧なところで、“タイの歌姫”というハンデは大きいのではないかと、勝手に推測していたのである。しかし、それはまったくの思い込みだったことに気づかされた。

17時30分を過ぎた頃、真っ白いワンピースを身にまとったタタは8人のダンサーを従えてステージに登場。1曲目「I Believe」を歌い始めると会場中で大きな歓声が上がり、それを受けるように、タタは激しいダンスに体をくねらせながら歌う。続いてアルバム『I BELIEVE』の1曲目を飾る「Everybody Doesn’t」をたたみかけ、ノリの良いダンス・ナンバーを2曲続けて披露したところで、「ありがとうごいざいます。こんばんはー! タタ・ヤンです。I feel so good!!」と日本語と英語を織り交ぜてあいさつ。するとファンから「タタ、かわいいー!」との声援があちこちから飛ぶ。会場の中にはタタの故郷、タイの国旗を振るファンの姿もいて、それを見つけた彼女は「タイのフラッグが見える! すごくうれしい。サワディーカー、コップンカー」と、とてもうれしそうな様子。

 中盤では真っ白なワンピースから一転、黒のキャミに黒のパンツ姿というセクシーなスタイルにチェンジし、ロック調のナンバー「Cinderella」「My World’s Spinning」へと流れていく。男性ダンサーとセクシーなダンスを踊る姿がとても妖艶だった。その後、「タイの歌聴きたい?」とオーディエンスに問いかけると会場からは「聴きたーい!!」の声。「この曲は私も作詞に参加した曲なの。2人の男の子を振り回すワガママな女の子の曲です」といって、「I Need The Both of You」を披露。タイ語の曲でもっとも人気があるというメロディの美しいバラード・ナンバーだ。実は昨年、母親を亡くしたタタ。「亡き母に捧げ、ここにいるみんなのために歌います」と言って歌い始めたのは「I Think of You」。キャッチーなダンス・ナンバーのタタも良いが、しっとりとしたバラード曲での彼女の声の張りと伸びは素晴らしい。

 シリアスになったムードを一転して大爆笑の渦に巻き込んだのは、タタのギャグ。突然「日本のギャグを3つ知ってるの。1つ目は“残念!”。2つ目は“問題ない”。3つ目は“どこ見てんのよっ!”」と言い出したタタ。大ウケの会場に答えるように胸元を隠す仕草をしつつ再び「“どこ見てんのよっ!”」とおどける彼女はとてもかわいらしかった。ラストはもちろん「Sexy,Naughty,Bitchy」を熱唱。熱狂の中、ステージを降りた。

 鳴りやまない拍手に応え、アンコールに登場したタタは目の醒めるような真っ赤なキャミワンピース姿。そしてライブ1曲目に歌った「I Believe」を日本語ヴァージョンで披露。ラストはインド風のサウンドが印象的な「Dhoom Dhoom」を歌いきり、「愛しているよ! 必ずまた日本に戻ってくるわ!」と言って笑顔でステージを去っていった。

 ライブ終了後の会場からは「タタ・ヤン最高」「すごくかわいかった。歌もすごいうまい!」「またライブが見たい」という声があちこちから聞こえてきた。異国の地でのツアーで、観客の心をがっちりロックしたタタ・ヤン。そんな彼女がアジア圏のみならず、世界のポップ・アイコンとなる日もそう遠くないかもしれない。

TEXT:Chinami Hirahara Photo:Yayoi Hori