国が違うのだから当然習慣やマナーが異なるのは当たり前。日本には日本のマナーがあるし、タイにはタイのマナーがある。旅をするなら彼らの習慣に理解を示し、社会的マナーを守って旅をしたいもの。しかし残念ながら全くマナーを守らない旅行者も多い。これでは他人の家に土足で踏み入るようなもの。「旅をさせてもらっている」ということを常に忘れないようにしたいものだ。
王宮、ワット・プラケオへ行くときは肌の露出に気をつけること。タンクトップ、半ズボン、サンダルなどの服装では入ることができない。入口で服装チェックがあり、不適になってしまった人は服や靴の貸し出しをしている。寺院はタイの人々にとって心の寄りどころ。他の寺院を参拝する際にも、服装には気をつけよう。
僧侶に気軽に話しかけたり、体に触れてはいけない。修行の妨げになってしまうからだ。もちろん僧侶が女性の体に触れてもいけない。
タイ人にとって足の裏は人体の中でもっとも不浄な場所とされている。足は体の部位の中で一番下にあるからだ。座っているときや寝るときに人に足を向けたり、足で物を指したりするなんてもってのほか。
左手はトイレで使うものとされている不浄の手。握手するときや人に物を渡すときは左手は決して使わないこと。
人の足をまたぐのはとても悪いこととされている。満員の列車の中を移動したいときなども、ひと言声を掛けて足をずらしてもらってから通るように。
頭は体の中で一番高い部位にあり、精霊が宿る場所とされている。そのため、タイ人の頭を触ってはいけない。それは小さな子供であっても同様。かわいいからといって頭をなでてはいけない。
タイ人を叱るときは人前で叱ってはいけない。もし第3者の前で叱ってしまうと、当人はとてもプライドを傷つけられた、恥をかかされたと感じてしまう。
日本では麺類を食べるときにズルズル音を立てて食べるものだが、タイでそれをやったら確実に「下品な人」と思われてしまう。食事をするときは音を立てないように気を付けよう。
タイでは食事をするとき、身分が上の人から箸をつける。上の身分の人が箸をつけない限り、他の人たちは食事することができない。そして代金は目上の人が支払う。「現地の人に食事に誘われ、彼らの分の代金も払わされた」と言っている旅行者がよくいるが、タイの一般庶民からすればやはり日本人はお金持ちであり、お金を持っている者がお金を払うのは当たり前のことなのだ。
基本的にチップは不要。だが、高級なレストラン、高級ホテルなどでは「良いサービスを受けた」と思ったら渡したほうがスマートな印象。チップの大体の目安は以下の通り。
サービス料が含まれているレストランでは基本的にチップは不要だが、お釣りの小銭をチップとして渡してもいい。中級以上のレストランでサービス料が含まれていなければ10%程度を渡す。支払いの際にレシートをきちんと確認しよう。
荷物を運んでくれたベルボーイや、ルームサービスなどに20B程度を渡す。中級以下なら不要。
満足度によって大体20〜50B程度を渡す。サービスや態度が悪いと感じたら払う必要はない。