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トラブル

タイは概ね治安がよいが
気を抜くと思わぬトラブルに遭うことも…

“微笑みの国”という形容詞通り、穏やかで親切な人が多いタイ。しかし、どこの国でも良からぬことを考える輩は存在するもの。タイで起こる犯罪は銃や刃物を用いた凶悪犯罪よりも、詐欺やスリといった気をつけていれば防げる事件がほとんど。無用なトラブルを防ぐためにも、少しでも怪しいと思ったら毅然とした態度を取ることが大切だ。また、貴重品の管理には常に気を掛けておくこと。

  紛失・盗難

紛失・盗難

 旅行中に荷物やお金をなくしてしまった場合は警察(ツーリストオフィス)へ行き、紛失証明書または盗難証明書を発行してもらう。

パスポートの紛失

 もしパスポートをなくしてしまったら、再発行手続きをするか、帰国するための渡航書を発行してもらわないと帰国できなくなってしまう。発行の手続きは、必要な書類を持って日本大使館でおこなう。渡航書は平日の午前中に申請すれば、翌日の午後には発行される。それから、その渡航書を持ってイミグレーションオフィスへ行き、航空券などを提示して「タイへの入国日」を証明してもらう。こうすることで初めてタイを出国することができる。

パスポートの再発行に必要なもの

1. 申請書(大使館にある)

2. 紛失証明書(または盗難証明書。警察で発行してもらう)

3. 日本国籍を証明できる身分証明書(運転免許証など)

4. 手数料 5年用2952B10年用4428B

5. 写真2枚(45mm×35mm)

渡航書の発行に必要なもの

1. 申請書(大使館にある)

2. 紛失証明書(または盗難証明書。警察で発行してもらう)

3. 日本国籍を証明できる身分証明書(運転免許証など)

4. 手数料 922B

トラベラーズチェック(T/C)の紛失

           T/C は購入時に署名欄にサインをしていれば、再発行することができる。サインがない場合や、使用する際にサインをする副署名欄にサインをしてしまった場合は再発行ができないので要注意! また購入した際は、各T/C の番号をメモ帳などにメモし、使用・未使用をチェックしておけば、再発行の際にもスムーズ。再発行は下記の書類を持って、T/Cの発行銀行のオフィスへ行き、再発行手続きをおこなう。

再発行に必要なもの

1. パスポート

2. 紛失証明書(または盗難証明書。警察で発行してもらう)

3. T/Cの発行証明書(T/C購入時に発行される)

クレジットカードの紛失

 クレジットカードをなくしてしまったら気付いた時点ですぐにカード会社に連絡して、失効手続きを取ろう。こんな時に備え、カード会社の緊急連絡先、カード番号、有効期限などは、メモ帳などにメモしておくとよい。

主なカードの連絡先(タイ国内)

アメリカン・エキスプレス TEL. 0-2273-0022
ダイナースクラブ TEL. 0-2238-3660
JCB TEL. 0-2631-1938
マスターカード TEL. 001-800-11-887-0663
ビザカード TEL. 0-2260-8572

現金の紛失

 残念ながら、現金をなくしてしまったら戻ってくる可能性はほぼない。もし全財産をなくしてしまった時は日本大使館に相談し、日本からの送金の受け取り方法を聞こう。

荷物の紛失

 現金と同様、荷物も戻ってくる可能性はほぼない。ただ、海外旅行傷害保険に加入していれば、帰国後に損害請求ができるものも。その際、警察で発行された盗難証明書を提出する。

航空券の紛失

 下記の書類を持って航空会社に行き、再発行の手続きを行う。ただ、格安航空券の場合、再発行は難しいかもしれないが、可能性がないわけではない。

1. パスポート

2. 紛失証明書(または盗難証明書。警察で発行してもらう)

3. 航空券のコピー(あらかじめコピーを取っておくとよい)

  犯罪・治安

 タイでは日本人を狙った詐欺やスリが後を絶たない。日本人旅行者は、お人好しで無防備、曖昧な態度を取る人が多く、簡単に騙しやすいのだ。また、麻薬などに手を出し、トラブルに巻き込まれてしまう人も多い。タイでは麻薬の使用は重犯罪。もし、逮捕されてしまった場合は何十年もの刑務所生活、もしくは死刑が待っているということを頭の隅に入れておくこと!「ちょっとだけならいいや…」といった軽い好奇心で麻薬に手を出すのは絶対にやめよう。海外では自分の身を守るのは自分だということを常に忘れないように。

<実例>

宝石詐欺

 王宮周辺などの観光地や繁華街によく出没する。王宮などに行こうとすると「今日は王宮は休みだ」と親しく声を掛けてくる男がいる。そして「代わりにイイところへ連れてってやろう。宝石は好きか? 今、政府主催のジュエリーセールをやってるんだ。タイは宝石が安いけど、セールでさらに安くなってる。しかも、そのセールは今日が最終日なんだ。こんなチャンスは2度とない。お前は本当にラッキーだ!!」などと捲し立ててくる。そして興味を示したり、迷ったりしていると「とりあえず見るだけでもいいから」と宝石店へ連れていかれる。宝石店では店員が「この宝石を日本で売れば3倍くらいの値段で売れますよ。日本から宝石店のバイヤーも多く来ています」と、設け話を持ちかけてくるはずだ。この言葉を信じて50万も100万もする宝石を購入し、帰国後に宝石店へ持ちこんで初めてその宝石がほとんど価値にないクズ同然の石だと知り愕然とする…。これが王道パターンだ。

トランプ賭博

 トランプ賭博を仕掛けようと近づいてくるヤツらの常套句は、まず「日本語を勉強している者なんですけど、ちょっとお話してもいいですか?」。身なりもよく、割と流暢な日本語で話す彼ら。まずはお互いの自己紹介や世間話などをして打ち解けてきたところで「今度妹が日本に留学するんですが、日本は危険な場所だと聞いてます。それで病気がちの母親が、妹のことをひどく心配しているんです。家に来て2人に日本のことを話して安心させてくれませんか?」と切り出してくるだろう。しかし、家に行くと妹も母親もいない。

 すると、「彼女たちが戻ってくるまで暇だからトランプでもしよう」と言われ、ブラックジャックが始まる。しばらくすると、「これから金持ちの友人が来るので、2人で金を巻き上げよう」とボロ儲けする話を聞かされる。ゲームがスタートすると最初は勝ち続けるのだが、最後には負けてしまう。すると手持ちの現金は全て巻き上げられるだけでなく、クレジットカードでキャッシング、または貴金属を強制的に購入させられるハメになってしまう…。

鳩エサ詐欺

 王宮広場あたりによく出没するのが鳩エサ詐欺。道を歩いているとオバサンが「エッサー、エッサー」と言いながら強引に鳩のエサを押し付けてくる。すると無数の鳩がエサをめがけて集まってくる。あまりの鳩の数に一瞬自体を飲み込めずにいると、オバサンが「こうやってエサを巻くのよ」と言わんばかりに、何袋もエサをザザーっと撒き…。立ち去ろうとすると「500バーツ! 500バーツ!」などと、法外な値段を請求してくる。

トラブルに巻き込まれないようにするために

 流暢な日本語でなれなれしく声を掛けくる輩には気をつけること。彼らはスーツや制服などを着用し、高そうな時計やアクセサリーを身につけていることが多い。そして「大学の教授」「医師」「警察」「大企業の社員」など、社会的に地位のある職業についていて、怪しくないということをアピールしてくる。が、本当にエリートならいちいち一介の日本人旅行者に突然話しかけてくるようなことはしないし、昼間に旅行者相手に油を売っている暇なんてあるはずがない。もし、ここでうっかり話し込んだら、きっと「兄弟が日本に留学している」などと言って、親日家の態度を装ってくるだろう。そしてその後は、トランプ詐欺などに持ち込むのが常。以下のようなことを心がけるだけで、だいぶトラブルを回避することができるはず。

  • 流暢な日本語でなれなれしく声を掛けてくる人には注意
  • 妙に親日家をアピールする人には注意
  • トゥクトゥクの運転手などに「○○は今日は休みだから、代わりに他の所へ連れてってやろう」と言われても相手にしない
  • 「親が病気」などといって情に訴えてくる人も相手にしない
  • 儲け話などのおいしい話はないと思え
  • 旅行前にトラブル実例を調べ、詐欺のパターンを頭に入れておくこと
  • 人ごみの多い場所ではバッグをしっかり持ち、常に気を配ること
  • 安宿に泊まる場合は、鍵がきちんと掛かるか確かめること。さらに、南京錠などを持参し、それが使用できるような場所に宿泊するのが望ましい
  • 「少しくらいなら…」という甘い態度はやめよう
  • 曖昧な態度は取らない

    トラブル時の連絡先

    ツーリストオフィス 

    TEL. 02-257758

     

    在タイ日本国領事部

    TEL. 0-2261-1618, 0-2260-8501(旅券、証明関係)

    TEL. 0-2260-8502, 0-2260-8504(日本人保護関係)

    TEL. 0-2258-9915(査証関係) 
    TEL. 0-1846-8265, 0-1809-6074 (夜間、休刊日の緊急連絡用)