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タイ国内最大級、クーラー付き
“プラクルアン市場”
バンコクの秋葉原“パンティッププラザ”の意外な一面
 
タイ人には霊験あらたかなプラクルアン(小さな仏像のお守り)やクルアンクラーン(お守り)を身につける信仰があります。それはお守りの中の神仏に身の安全を守ってもらい開運に導いてもらえるよう願ってのこと。祈願を叶えるために人間が考えることは今も昔も変わらないようです。昔、戦場へ出ていく兵士は、高僧を訪ね護符を受け取り、必勝と護身の思いを込めた装束に身を包んだといわれています。そして大きなプラクルアンを首から下げることで心の安息を得たそうです。現代においてもプラクルアンを日常的に身につけることは男女問わず人気があり、タイ人にとってはごく当たり前のことになっています。
プラクルアンやワットゥモンコン(開運グッズ)は以前はどこにでもあり、自由に交換取引されていました。現在売買されているよりはるかに多い数だったようです。当時、ニセ物はそれほど出回っておらず、プラクルアンの収集は難しくありませんでした。しかし1957年頃からプラクルアン人気が高まりはじめると状況が変わりはじめます。最初のプラクルアン定期市がタイトゥンサーンアーヤー周辺に登場すると、プラクルアン目当ての人々が集まり交換売買するようになったのです。以後、プラクルアン市場は時代と共に変化を遂げ、このタイトゥンサーンアーヤー・プラ市場にはじまり、ワットマハータート・プラ市場、ワットラーチャナッダー・プラ市場、そして今日まで続く大市場、タープラチャン・プラ市場が登場。やがて、プラクルアン市場が百貨店の中に入るという大変革の時代に突入します。

パンティッププラザのガームウォンワーン店
タイ国内最大級のプラ市場があるパンティッププラザのガームウォンワーン店
パンティププラザ・プラトゥナーム店内
   
1990年頃、パンティププラザ・プラトゥナーム店内にベーカディン・プラ市場がオープンしました。それまでのプラ市場とはすっかり様変わりし、お母さんが子どもを連れて買い物をする間にお父さんがプラを見に行く、という家族向けの環境になったのです。市場と違ってクーラーが効いた快適ななかでプラを物色でき、駐車場も完備。数々の好条件が整ったおかげでプラを扱う店はみるみるうちに増加し、遂にタイ国内最初の百貨店にプラクルアン・センターができるまでに成長しました。その後、ザ・モール・ガームウォンワーン店へと拡張移転しましたが、4、5年後には火災で再度移転。3度目のプラクルアンセンターがバーンランプー・ガームウォンワーン店(その後パンティップ・ガームウォンワーン店に改名)にでき、今日に至っています。
パンティップ・ガームウォンワーン店3階はプラを扱う商店と出店する人が国内で最も集まるプラクルアンセンターです。プラクルアン愛好家やコレクターが増加するにつれ取引額も増大し、今では年間100億バーツの取引が行われる巨大市場へと変貌を遂げました。愛好家タイ人だけでなく、マレーシア人、シンガポール人、台湾人、香港人などの外国人も少なくありません。
プラを扱う常設店は数百店あるほか、火曜と金曜はさらに数百もの店が立ち並ぶ定期市があるので普段以上の賑わいが楽しめます。お店をのぞいて物色するもよし、買うもよし、楽しみ方は好き好き。常設のお店なら本物のプラである証明書をつけてくれるので安心でしょう。プラに問題があったり本物でなければ返品することも可能です。ただ常設ではなく出店しているお店の場合は注意してください。本物であるという証明書がないばかりか、実際ニセ物であることが多いのです。本物かどうか自分でよく見極める必要があるでしょう。
というわけで、時間があればパンティッププラザ・ガームウォンワーン店3階にぜひ行ってみてください。信仰を売るビジネスを生業としている人があまりに多いことに違和感をおぼえるかもしれません。でもそれもまたおもしろい経験です。
 
店内の様子 店内の様子 店内の様子
 
 
 
DATA
パンティッププラザのガームウォンワーン店

住所:ノンタブリー県ガームウォンワーン通り パンティップ・ガームウォンワーン店3F
時間:10:30~21:00