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マハーチャイの駅は市場と兼用
マハーチャイの駅は市場と兼用
 


列車の車内
列車の車内
駅舎兼用の市場内
駅舎兼用の市場内

 鉄道の旅には独特の味わいがある。タイ国内にも鉄道網があるので、時間があれば利用して、さらなる異国情緒を味わってみたい。
  日本人はよく「タイで電車に乗って……」と言うが、タイを走る電車はBTSとMRT、そして最近開通したエアポート・レイルリンクだけで、バンコクと地方都市を結ぶ鉄道はいまだに電化されていない。それどころか複線になっているところすら一部というのが現状で、進化や発展からは完全に取り残されている。鉄道が発達する前に道路交通網が整備されたのが原因だが、それゆえ“一昔前の鉄道の旅”が味わえるのだ。
  寝台車もある長距離線の利用がもっとも楽しいが、バンコクから短時間のみ乗車するなら、北のアユタヤーか西のマハーチャイがいい。今日は観光地を避け、港町マハーチャイまで行ってみることにしよう。

庶民の生活を支える鉄道
 マハーチャイ行きの列車はチャオプラヤー川を越えたトンブリー地区にあるウォンウィエン・ヤイ駅から出る。線路が延伸し、ここまでバンコクからBTSで行けるようになった。このマハーチャイ線を電化し、タークシン橋を越えてきたBTSの車両を直接走らせる計画もあるらしいが、現在のところ実現する気配はない。
  電化されていないタイ国鉄の客車はディーゼル機関車が引っ張る。短距離線の車両にエアコンは付いていないので、窓は開けっ放しだ。蒸気機関車は石炭で走るが、ディーゼル機関車は軽油で走る。量は違うが煙は出るので、風向きによっては煙くなる。それもまた、もはや日本では味わえない旅の風情だ。
  マハーチャイ行きの列車は約1時間おきに出る。各停のみで、駅から駅の間がまた短い。都市と郊外を結ぶシティトレインといった感じで、ちょっと走っては停まり、停まっては走る。乗降客のほとんどは通勤通学客で、朝夕の時間帯を過ぎると市場での買い出し目的の客になる。この列車は市場とベッドタウンを貫く生活列車なのである。

市場と市場を結ぶ列車
 ウォンウィエン・ヤイ駅を出た列車は駅から駅へ、町から田畑へと走り、一路マハーチャイへ向かって進む。緑豊かな窓外の眺めは、まさしく田舎だ。ぼんやりしていると眠くなってくるが、終点までは約1時間。目を閉じる間もなくマハーチャイに着く。
  まるでトンネルのような駅舎に潜り込むと、そこがマハーチャイだ。駅舎は市場を兼ねていて、奇妙な空気が漂っている。
  外に出ても、やはり市場だ。港町らしく、空気には潮と乾物の臭いが入り交じっている。たいした移動でもないのに、ずいぶん遠くに来たような気になるはずだ。
マハーチャイの港
県名 サムット・サコーン
行き方
マハーチャイへはバンコク都内から市バスでも行けるが、やはり鉄道を利用したい。鉄道はトンブリーのウォンウィエン・ヤイ駅から約1時間おきに出ている。

*内容については取材当時のデータとなりますのでご了承ください。