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プー・クラドゥン国立公園 レンタルされているテント群
レンタルされているテント群。自前の設営地はこの裏
 


プー・クラドゥン国立公園 メイプル(カエデ)の名所
プー・クラドゥンはメイプル(カエデ)の名所
プー・クラドゥン国立公園 ロムサック壁の奇岩
プー・クラドゥンといえばこれ、ロムサック壁の奇岩

 タイ東北部のルーイ県にプー・クラドゥンという山がある。標高は1,316メートルだから高い山ではないが、そう簡単には登れない。というのもこの山は、ふもとから歩いて登らないと頂上にたどり着けないのだ。
  そんなのは日本ではあたりまえだが、実はタイでは珍しい。タイの最高峰は標高2,565メートルのドイ・インタノンだが、ここでさえ頂上まで車で行ける。北部には標高2,000メートル超の山がいくつもあるが、ほとんどが車やバイクに乗ったまま行くことができる観光地だ。文明の利器を利用できないプー・クラドゥンは、タイでは数少ない本格的な登山ができる山なのである。

荷物はポーターまかせ
 プー・クラドゥンの一帯は国立公園になっている。登頂するにはふもとの受付で登録と入園料を支払わなければならない。この入山口からは一気の登りで、甘く見ていたタイ人たちのほとんどがゲンナリしてしまう。ひたすらの登りがこれから約5キロ、時間にして4時間以上も続くと思えば気が萎えるのも無理はない。
  しかし、登って行くにつれ気温は下がり、気持ちよい風が吹いてくる。脚の痛みはあっても苦しさはさほど感じないはずだ。それにこの山は荷物を自分で持つ必要がない。専用のポーターがふもとに大勢待機していて、どんなものでも運んでくれるのだ。
  登山に苦痛はつきものだが、そこはやはりタイである。重い荷物は彼らに預け、あとはただ登っていけばいい。ポーターたちは、男性は60キロ以上、女性でも40キロ以上の荷物を肩にかついで山道を登る。手ぶらの登山者にはかなわないが、それでも頂上で1時間も待っていれば追いついてくる。過酷な職業の多いタイだが、その中でも極めつけに厳しい重労働だ。

氷点下にまで達する気温
 頂上にはビジターセンターがあり、その横にキャンプ場がある。宿泊は基本的には自前のテントだがレンタルできるし、少ないながらバンガローもある。周囲には食堂街もあるので自炊道具を持ち込む必要がなく気が楽だ。
  そこで注意したいのは、気温が驚くほど下がること。この山は乾期のみ登山が可能となるが、この時期のイサーンはびっくりするほど冷え込むのだ。標高が1,000メートル程度の頂上あたりでは夜間になると気温が10度以下になり、0度以下にまで下がることもある。この寒さもまたタイでは貴重な体験だ。
  プー・クラドゥンは、これからが最高のシーズンとなる。足腰を鍛えて体調を整え、タイで本格的な山登りを楽しもう。
プー・クラドゥン国立公園
県名 ルーイ
行き方
バンコクやコーン・ケーンからプー・クラドゥンの近くまで行くバスの便がある。乗車前に言っておけば適当な場所(ターミナル)で降ろしてくれるので、そこから待機しているソンテウに乗って国立公園の窓口まで直行する。

*内容については取材当時のデータとなりますのでご了承ください。